油吸着材「もりの木太郎」は、北海道産トドマツを裁断し、蒸煮、乾燥、高温で炭化させることで親油・疎水性を持たせ、これをポリプロピレンの袋に入れて製品化したものです。油の吸着量は自重の15~25倍で、多孔質(仮道管)内に留まる油は滴り落ちることも少なく、更に灯油・ジェット燃料等を吸着すると色の変化により識別が容易という特徴があります。この吸着材は、平成元年北海道立林産試験場等が実施した調査研究の結果製品化されました。NETIS(KT-050006-VE)掲載終了
流出油事故が発生した時、油の回収のため油吸着材が使われる事が多い。その様な場合、
- 流出した油の油種と量
- 油吸着材はどの吸着材をどの様に使うのか
- 後始末はどの様にするのか
等の課題が付随している。
川の場合、油種では灯油やA重油等の軽質油のケースが多いが、水面に浮く油の油層厚は一般的には数ミクロンと薄く、その厚さでは油吸着材は機能せず、簡易堰等により集油して0.25mm以上の厚さを作る必要がある。この油厚になって初めて油吸着材は油を吸着する。油を吸着できた時、次にどの程度まで吸着するか(吸着性)、水面から吸着材を回収する時油が滴り落ちるのか否か、これらは選択する油吸着材の種類により決まってくる。
材質がポリプロピレン(PP)で形が板状の場合、吸着量は自重の約10倍前後で、油を吸着した状態で持ち上げると相当の量が滴り落ちてしまう。一方で「もりの木太郎」は木材を材質とした油吸着材で、材質が微細な多孔質のため、PP材とは異なる吸着性・保油性に特徴がみられる。
商材動画VIDEO
原料
北海道産トドマツの間伐材チップを高温高圧で線維化したのち、一定温度で炭化させたもので、黒い繊維状になっています。カーボンファイバーと呼称しているものです。
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間伐材チップ
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高温高圧で繊維化
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定温度で炭化
外袋
外袋は公害性の低いポリプロピレン不織布を使用しています。
施工事例WORKS
油吸着材もりの木太郎の使用について
- 特徴
- ”油吸着材もりの木太郎”は針葉樹トドマツの間伐材のチップをファイバー状にして炭化したものです。炭化されたトドマツの仮道管が、多孔質の繊維となって疎水性と親油性の性質を併せ持っており、油の吸着・保持を良好にしています。
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”油吸着材もりの木太郎”は主に低粘度の軽質油の吸着に優れた効果が期待できます。
(A重油、灯油、軽油、ジェット燃料等)
(高粘度の油、乳化した油、界面活性剤を含んだ油には効果はほとんどありません。) -
”油吸着材もりの木太郎”は、河川等に流出した油をオイルフェンス・簡易堰などの上流で集油して、油層厚を0.25mm以上確保した状態で投入するのが効果的です。
※1 なお、オイルフェンスの展張や設置はなるべく流速が遅い場所(0.5m/s以内)が望ましい -
油吸着材もりの木太郎の交換のタイミングは、油を吸って変色したら交換が基本ですが、現場によって様々な自然条件、外乱により水の侵入、または沈降等がみられる場合があります。その際は吸着状況に関わらず直ちに交換してください。また現場に長時間マットタイプを設置する場合は、専用ネットとの併用またはフェンスタイプ、万国旗タイプの使用を推奨いたします。
※2 (油吸着)マット投入から5~10分程度放置した後、回収する。
投入と回収に時間がかかる場合でも、できるだけ1時間以内に回収する。 -
”油吸着材もりの木太郎”は可燃物なので火気のそばには近づけないでください。
また吸着した油の性状を変化させることはありませんので、揮発性・引火性の高い油の取扱いには十分に注意をお願いします。
“油吸着材もりの木太郎”は吸着させた後、油の滴下、二次災害の防止のため直ちに回収して、袋・容器等に入れて産業廃棄物処理施設にて適切に処理しましょう。
注意
- 油吸着用途以外では使用しないで下さい。
- 本製品は可燃物ですので、火気のそばには近づけないで下さい。
- 油吸着後の本製品の処理は、法令に基づき許可を得た処理業者に相談して下さい。
- 本製品の保管は、高温多湿を避け、水分で濡れないようにして下さい。
- 外装を手かぎなどで傷つけないで下さい。
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本製品は吸着した油の性状を変化・中和させることはありません。
揮発性・引火性の強い油の取扱いには厳重にご注意をお願いいたします。 - 中和剤および処理剤等と併用しますと、油と水を一緒に吸う場合があります。
- 製品の形状・材質は品質の向上のため予告なしに変更することがありますのでご了承ください。
もりの木太郎 正規販売店
共和ハーモテック 株式会社 | k-harmotech.co.jp |
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株式会社 コテガワ (九州・沖縄) | you-kotegawa.co.jp |
株式会社 TMC | tmc-aoyama.co.jp |
書籍の紹介
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川に油が流れると…
著者:佐々木 邦昭 -
海に油が流れると…
著者:佐々木 邦昭
著者紹介
佐々木 邦昭
昭和44年海上保安大学校卒業、海上保安庁、海上災害防止センターで平成18年まで勤務、海上災害防止センターでは主にタンカー等による海洋汚染対策に取り組んでいた。現在は海と渚環境美化・油濁対策機構、川の油汚濁防止技術研究会の専門家。